【学び論】vol.7 これからの時代の教育論

こんばんは、渡辺です。

私には子供はいませんが、私なりの教育論というか、「子供と進学」という点について考えを持っています。その考えにとても近い事を語っているのがオリエンタルラジオの中田さん。最近は芸能人というよりは「教育系Youtuber」のイメージが強いですね。下記の記事で「わが子の力を信じるからお受験しない」ということを語っているのですが、この人、本当に色々と深く考えているなと思います。

https://dual.nikkei.com/article/081/99/

詳細は記事をお読みいただければと思いますが、なぜお受験をさせないか、一言でいうと「最初から与えてしまうことのリスクを考えると、自分の力でつかみ取ることを教えた。
わが子の力を信じている」
ということ。

中田さんも記事の中で語っていますが、「小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業時に今は存在しない職業に就く」と、アメリカの研究では言われています。日本でも同じことが起きるでしょう。であれば、今後ますます不透明になる社会において子供の時から親がレールを敷いてしまうことが果たして子供の為になるのか。それはかえって「リスク」なのではないかと中田さんは考えているのです。

 

■「安定思考」の人は、少なくないと思います。というよりも、大多数の人はまだまだ大きな組織の方が安全という「安定思考」です。ただ、これからの社会を考えたとき、果たして「安定」が「安心」なのか。私は、これはとても大きな「リスク」だと思っています。

現在の日本を取り巻く状況は、決して楽観視できるものではありません。というよりも、このまま行くと国力がどんどん落ちていく。大げさな表現かもしれませんが、「沈んでいこうとする船」のようなものかもしれないのです。今まさに船が沈みかけているときに、「安定」、すなわち船の中に安住の場所を求めるとどうなるか。

私は、「万が一船が沈んでしまってもそこから思い切って海に飛び出て自分の力で泳いで行ける力」を付けた方が、よほど安心だと思うのです。その力をつけていれば、船の上においても、その力が無い人よりは高いパフォーマンスの仕事ができるでしょう。中田さんも同様のことを考えているのではないでしょうか。芸人という不安定な仕事についているからこそ、感じている危機感なのだとも思います。

 

■それから、記事の中で私がとても共感したのが、少々長くなりますが引用すると「子ども自身が周囲の大人を見て『学歴があっても、こういう人になってしまうのか』と判断すれば、勉強に時間を費やさない選択を能動的に取ることも考えられます。その場合は、世間的には「学力は低い」となるのかもしれません。ならば、きっと違う能力が備わっている。その能力で社会的責任を果たす人材として育ってくれる。そう子どもを信じたいんです。」という言葉。

これは、親としての覚悟が伝わってきます。また、単に「勉強しない」というのと、「勉強に時間を費やさない選択を能動的に取る」のとではまったく意味合いが違います。私はこのコラムを通して学ぶこと、勉強することの重要性を語っていますが、これは、あくまでも「生きていくための学び」であって、いわゆる「学校のお勉強」という意味ではありません。

職業に貴賤は無く、どんな仕事に就くのであれ、その能力を活かして「社会的責任を果たす人材」になる。ここがとても重要だと思います。長嶋茂雄氏が学生時代Theを「テヘ」と読んだという逸話があるのですが(本当かどうかは分かりませんが)、勉強ができなくても国民的大スターになりました。自分が能力を最大限活かせる分野に最大限時間と意識を投下する。そのことによって、「社会的責任を果たす人材」になる事が出来れば、何も学校の勉強ができることがすべてではありません。

 

■このコラムを読んでいる方の中にも、今子育て真っ最中という方もいれば、今後結婚して子育てをするという方もいるでしょう。その時に、この中田さんのインタビュー記事を少し思い出していただければと思います。子供の教育に「何が正解」というものはありません。時代によっても子供の個性によっても周囲の環境によっても色々と変わってくるでしょう。しかし、「不安定」な社会では「安定」こそがリスクになりうる、ということは頭に入れておいてください。社会経済環境がどのようなものになっても生き抜いていくだけの力を付ける事。自分自身にとっても、子供たちの世代にとっても、とても大切な考え方です。

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