速読講座をやっていてよく頂く質問に「小説も速読できますか?」というものがあります。
読みたい小説がたくさんあるのに読むのが遅くてなかなか読めない、という方が多いのです。
結論から言うと、小説でももちろん速読はできます。
私が小説を読むスピードは、恐らく一般の人から見ればとても速く感じるでしょう。なぜなら、私が実践している速読というのは、文章をしっかりと黙読して内容を理解しながら読む方法なので、どんな本を読むのでも基本は同じだからです。
ただ、これは私の個人的な考えですが、小説は速読しない方がいいんじゃないかな?とも思います。
小説というのは、登場人物の会話やちょっとした「間」、心理描写や情景描写など、文章そのものを楽しむものであり、ビジネス書や教養書のような「概略をつかむことが目的」の読み方とは根本的に異なるからです。
高速で読めたとしても、例えばDVDを2倍速で観たら楽しいか、と言われると、必ずしもそうではないでしょう。
また、小説に関しては、それが「どのような小説なのか」によっても変わってくると思います。
いわゆる「文芸小説」であれば、それこそ言葉の使い方や社会文化背景などをじっくり味わいながら読むべきものだと思いますし、「ライトノベル」などではサクサクとストーリーを追っていくだけで十分、ということもあるでしょう。
軽い小説であれば、速読もありだと思います。
例えば、会話の部分はじっくりと読みながら、それ以外の描写の部分はある程度流し読みをする。
それでも、ストーリーはつかめます。ドラマの脚本を読むような感じですね。ちょっとした息抜きなどに読む分にはこれでも十分だと思います。ただし、こうした本をいくら読んでも、語彙力が強化されたり、考える力が身に着いたりすることは、あまり期待できないでしょう。
小説は、やはり「熟読」が基本です。
難解な本であればスピードも遅くなりますし、簡単な本であれば速くなるでしょうが、それでも基本は熟読です。(難易度によって、熟読のスピードが違うということです)。
ただ、一つ言える事は、先ほど私が小説を読むスピードは、一般の人からすると速いと思われるスピードだと書きましたが、私がお伝えしている速読を身に付けると熟読するスピードも速くなる、ということです。
熟読しているつもりでも、そのスピードがそもそも速い、ということになるのです。これは、自分の中ではDVD2倍速ではなく、普通の速さです。
ですので、小説に関しては、あまり速読を意識せず普通に読み、他のビジネス書やノウハウ書などで速読スキルを高めていきながら、「ゆっくり読んでいるつもりなんだけど、速い」という状況にできるのがベストだと思います。