「もっと速く読めたらいいのに…」そう思ったことはありませんか?
読書スピードを上げたいと考える人にとって、「速読」という言葉は魅力的な響きを持っています。けれど同時に、「本当に身につくの?」「頭に入らないんじゃないの?」といった不安もあるかもしれません。
本記事では、速読初心者の方でも気軽に取り組める【基本の速読トレーニング3ステップ】をご紹介します。難しいテクニックや高価な教材は必要ありません。日々の読書に、ちょっとした工夫を加えるだけで、読むスピードも理解力も少しずつ育っていきます。
速読トレーニングの目的と心構え
速く読む=雑に読む、ではない
速読というと、「とにかく速くページをめくる技術」と誤解されることがあります。ですが、本来の速読は「必要な情報を、理解しながら速く読む力」です。単に速く読むだけではなく、「理解」と「スピード」を両立させることが目標です。
初心者にこそ大事な“安心のスタート”
はじめのうちは、無理に速く読もうとせず、あくまで「読む感覚を変える」ことを意識しましょう。
- 完璧を目指さない
- できない自分を責めない
- まずは「慣れる」ことを優先する
この3つのスタンスが、速読を長く楽しく続けるコツです。
基本の速読トレーニング3ステップ
ではいよいよ、具体的なトレーニングに入っていきましょう。初心者でも安心して実践できるように、以下の3ステップに分けて紹介します。
【STEP1】視野拡大と眼の動きのトレーニング
速読の第一歩は、「目の使い方を変えること」です。私たちの目は思った以上に狭い範囲しか見ていません。まずは、文字を追う動き=視点移動を意識的にトレーニングしていきましょう。
トレーニング①:1行を3分割し、トントントンと視点を移動する
- 方法:1行を3つのかたまりに分け、それぞれに視点を「トン・トン・トン」と軽く動かします。
- ポイント:文章の内容を理解する必要はありません。目の運動として実施する感覚でOK。
- 効果:一度に広い範囲を見渡す力(視野)が育ちます。
トレーニング②:行の真ん中に視点を置いたまま、左右に意識を向ける
- 方法:視点は行の中央に固定しつつ、行の最初と最後の単語を意識して“見てみる”トレーニングです。
- ポイント:視点を動かさずに視野を広げる感覚を掴みましょう。
- 効果:無駄な視点移動が減り、読書がスムーズになります。
この段階では「読む」よりも「見る」が目的です。毎日5分、ウォーミングアップのように取り組んでみてください。
【STEP2】意味のかたまりで読む練習
続いては、読書の“単位”を変えるトレーニングです。私たちは普段、無意識に1語1語を読んでいますが、それではスピードに限界があります。意味のまとまり=「チャンク」を意識することで、飛躍的に読むスピードが上がります。
トレーニング①:句読点を参考に、意味のかたまりで読む
- 方法:文章の「、(読点)」を1つの区切りとして、そこまでを一気に読むイメージで進めます。
- ポイント:「文法的に正確でなくてもOK」。意味が通じればOKです。
- 効果:かたまりごとに情報を把握する癖がつき、読むリズムが良くなります。
トレーニング②:接続詞・主語・結論に注目して読む
- 方法:「しかし」「つまり」「一方で」などの接続詞、「○○は~」といった主語・述語、「結論」などを見つけるように意識します。
- ポイント:文章全体の流れが分かるようになると、戻り読みが減り、理解力もアップ。
- 効果:「読んだのに頭に残らない」を防ぐ助けになります。
【STEP3】黙読のスピードを速くする練習
最後に行うのが、読書スピードそのものを「慣れさせる」ステップです。
方法:自分が理解できるギリギリの速さで読む
- ポイントは「速くしすぎないこと」。今の自分の読書スピードより「ほんの少しだけ速く」読むよう意識します。
- 読んだ後に「ちょっと早かったけど、だいたい理解できた」と思えたら成功です。
- 慣れてきたら徐々にスピードを上げていきます。
補足:読書スピードを記録してみる
- 「Before:1ページ2分 → After:1分30秒」など、変化を記録してみるとモチベーションが続きます。
- スマホのストップウォッチや読書記録アプリも便利です。
速読に向いている本・向いていない本
初心者が速読を始めるとき、どんな本で練習するかはとても重要です。
以下に、トレーニング効果を引き出しやすいジャンルと、避けた方がよいジャンルをまとめました。
✔ 向いている本のジャンル(初心者向け)
- 読みやすい自己啓発書(例:「○○の習慣」「考え方のヒント」系)
- 軽めのエッセイ(文体が親しみやすく、話が短く区切られている)
- イラストや図解が多いビジネス書(構造が分かりやすい)
- 雑誌・実用書(短時間で完結する読み物)
✔ 向いていない本のジャンル(初心者は避けた方がよい)
- 難解な哲学書や学術書(理解に時間がかかりすぎる)
- 抽象的で主張が見えにくい本(文脈の読み取りが難しい)
- まったく知らない分野の専門書(背景知識がないと読みにくい)
まずは「読みやすい本」から。
「読めた」「分かった」「楽しかった」という小さな成功体験が、速読の継続を支えてくれます。
まとめ:読む“感覚”を変えるだけで、世界が変わる
速読は、決して“特別な才能”が必要なものではありません。
毎日の読書習慣に、ちょっとしたトレーニングを取り入れるだけで、「読むこと」がもっとラクに、もっと楽しくなります。
今日からできる、3つのこと:
- 【目を動かす】視野拡大トレーニングを取り入れる
- 【かたまりで読む】句読点・接続詞を意識する
- 【速さに慣れる】ほんの少し速く読む
ぜひ、まずは1日5分から、気軽に始めてみてください。
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