【学び論】vol.8 「お勉強」よりも「勉強」を

こんばんは、渡辺です。

さて、前回のコラムでは、オリラジ中田さんの教育論を紹介しました。今日も続けます。まず、あなたは「勉強」という言葉をひとくくりに考えていないでしょうか?私は大きく分けて「勉強」と「お勉強」に分かれると思っています。「勉強」というのは、とても幅広い意味で、「仕事のスキルを身に付けること」、「自分の人間性を高めていくこと」、「実際に体験することで経験値を上げていくこと」、「人と会って知見を深めていくこと」など様々ですが、「お勉強」というのは、「内容を覚えてテストでいい点を取る」ということに尽きると思っています。学校の勉強も資格試験の勉強も同じですね。

 

■私たちは、学校教育を12年~16年受けてくる中で、「テストでいい点を取るための勉強」を中心にしてきました。そして、テストでいい点を取っていい成績を取ることが、「優秀な生徒である」という意識付けをされてきたように思います。

これは、完全な思い込みです。

学校の点数が良くてもどうしようもない人もいれば、学校の点数は悪くても素晴らしい人格者もいます。一流大学を出て、一流企業や公共団体に勤めて汚職などで捕まる人もいれば、高卒・中卒でも何かの技術を懸命に磨いて結果を出し、社会に貢献している人も大勢います。学校の勉強ができることがイコール「頭がいい」というように思われがちですが、学歴は無くても頭がいい人はごろごろいます。

 

■結局、「勉強ができることが偉い」という意識は、戦後日本経済が復興・発展する上で「組織」で必要とされる人材を育成するため。与えられた課題を的確に解決できる人間を増やすために教育が利用されてきたとも言えます。しかし、何度も書いていますが、これからの社会は先行きが極めて不透明で、どう転がっていくか見当も付きません。その中で必要とされるのは、「課題を解決する能力」よりも「課題を発見する能力」であり、「組織に頼らず一人でも生き抜いていくことができる力」です。必ずしも独立起業しましょうといことではなく、そういう力を持ったうえで組織で働くということです。)

社会の課題を発見し、その課題を解決する商品やサービスを開発していく。これはもちろん、いわゆる「商品やサービス」というだけでなく、芸術や文芸やスポーツ、ダンス、あらゆる分野でということであり、どのような分野でもそうした能力が求められます。

 

■「社会起業」や「ソーシャルビジネス」という言葉が使われるようになって久しいですが、これからの社会では、「社会的な課題を発見し、解決する」ということが当たり前になってくる。この、「社会的な課題を発見し、解決する」能力というのは、残念ながら学校での勉強では身に付きません。課題が決まっていて、それを与えられるだけだから。だから、「お勉強」ではなく「勉強」が必要なのです。もちろん「お勉強」が重要ではないなどと言うつもりはまったくありませんが、学生時代にしっかりと基礎的な「お勉強」をした後は、自分自身で「勉強」していかなければいけないのです。

人によっては、オリラジ中田さんが言っているように「勉強をしないという選択を能動的にして」自分の才能を開花させ、社会に貢献できる能力を磨いていく方がいいこともあります。課題を発見する力というのは、社会に対して広くアンテナを張っていなければ身に付きませんが、その為には、広く社会に対して関心を持っておく必要があります。そのために、分野を限定せず、まずはたくさん本を読むことが必要になるのです。

では、どのように本を読むことが必要なのか、長くなるので明日に続けます。

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