【学び論】vol.9 同心円を意識して本を読む

こんばんは、渡辺です。前回のコラムでは、「お勉強よりも勉強を」ということで、学校でいい点数を取るための「お勉強」より、「課題を発見する能力」、「組織に頼らず一人でも生き抜いていくことができる力」を身につける「勉強」が大切であるというお話をしました。今回はその続きです。

 

■課題を発見する力というのは、社会に対して広くアンテナを張っていなければ身に付きませんが、その為には、広く社会に対して関心を持っておく必要があります。そのため、分野を限定せず、まずはたくさん本を読むことが必要になるのです。

では、どのように本を読むことが効果的なのか?今回は、私が提唱している「同心円読書論」をお伝えします。バランス良く様々な分野の本を読む時に参考にして下さい。

 

■まず、自分自身の「核」となる本を読みます。これは、いわゆる自己啓発書やスピリチュアル系の本、哲学、経営者やスポーツ選手、芸能人などで結果を出している人の自伝など、「生き方」「人生訓」などが書かれている本です。小説もここに来るものが多いですね。どんなに時代が変わっても変わらない、普遍的な人生のあり方。それを身につけるためには、徹底的に上記のような本を読むことが一番です。

成功法則と言われる本でもその法則は様々ですし、自伝などを読んでも成功の要因は人それぞれですが、その中にあっても共通する部分というのはたくさん見られます。それらを重ね読みしていくうちに、だんだんと自分の思考が書き換えられ、人生を良い方向に導いてくれる「核」ができるのです。

さらに、歴史や宗教、政治、経済などの「教養」を身に付けることも、自分の核を作るためには大切です。自分を取り巻く環境に目を向け、起きている出来事に対して自分なりに考えてみることで「思考力」が鍛えられ、自分の核がよりしっかりしてきます。

 

核を作るのと同時に大切なのが専門性を高めること。これは、もちろん人によって様々です。自分の専門分野の知見を広めるためにとにかく大量に読む。例えば、私であれば
速読や読書術、勉強法などを教えているので当然これらが専門分野になり、アマゾンやネットの古本屋さんなどで「速読」「読書術」「勉強法」で検索し、ヒットした本を片っ端から買っていく。そうして、新旧様々100冊単位で読むわけです。

新しい読書術の本が出たらとりあえず買って読む。雑誌で勉強法特集が組まれていたら買って読む。

こうして、日々専門分野のアップデートを図っています。

業界によっては、専門新聞や専門雑誌がありますし、もちろんインターネット上で最新情報を入手する必要もあるでしょう。この「専門性」が「核」の周りに来ます。

 

その外側に来るのが「ノウハウ」「方法論」。一般的にビジネス書と言われるものですね。自分の専門分野を仕事上で効果的に発揮していくために必要な様々なスキルを身につけるのです。例えば、コミュニケーションやリーダーシップ、マネジメント、仕事術、時短術、思考法、マーケティング、などなど。ここが充実していないと、専門性が高くてもそれを効果的に扱えず、とてももったいない。

 

 

■重要なのは、バランスです。核となる「自己啓発・哲学・教養」、それを囲むように「専門分野」、その外側に「ノウハウ・方法論」。これらのジャンルを、同心円を描くように読んでいくのです。この、同心円を意識していないと、ついつい自分の読みたい分野の本ばかりに偏ってしまいます。同心円を意識して本を読むことで、人間的にも芯があり教養豊で、専門性が高く、仕事ができる。そんな人になれるのです。

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