【学び論】vol.10 パーソナルマーケティング

こんばんは、渡辺です。

■音楽や芸能の世界では「プロデュース力」がとても大切です。どんなに才能を持っていても、表現を伝える力が無ければなかなか伝わりません。(逆に、プロデュース力があれば、少々実力が無くても大ヒットを生み出すことができます)。この「プロデュース力」、個人にも当てはまるのだろうと思います。

いろいろなところで書かれているので、恐らくあなたも目にしたことがあると思いますが、これからの社会は、組織に頼らず個人で主体的に生きていくことが求められます。会社名や肩書が無くても自分を売り込むことができる力が必要であると。

これは何も起業家やフリーランサーだけでなく、企業で働く人にも同じことが言えます。例えば営業の仕事をしているのであっても、「○○社の△△という商品」ではなく、その営業マンの「●●さん」から買いたい。そう思わせることができるかどうか。本田直之氏の著書に「パーソナルマーケティング」という本がありますが、まさにその考え方です。

 

■何年か前に、主にYouTube上で人気があった「WORLDORDER」というダンスユニットがあり、私も大好きでした。スーツ姿のサラリーマンをイメージした男性たちが切れのいいダンスを披露するグループで、観たことがある人も多いと思います。

そのリーダーである須藤元気氏は、格闘家として活躍した後、もともとミュージシャンを夢見ていたということでこの活動を始めたのですが、元格闘家というだけあってガタイも良く、どう見てもミュージシャンというルックスではありません。

でも、それを逆手にとって、体格がいいのでスーツが良く似合うため、そして顔も「日本人」的で、言ってみれば平たいので、「スーツ姿の日本のサラリーマン」というコンセプトを思いついたのではないでしょうか(私の推測です)。

だから、主戦場としてYoutubeを選び、まずは海外から打って出た。これは、パーソナルマーケティングがピッタリうまく行った例と言えそうです。オリラジの中田敦彦さんにも
同じようなことが言えるかもしれませんね。

 

■個人を売り出すという事で言えば、私自身も仕事をする上でとても意識しています。速読関連の事業は、まさに私の分身のようなものなのですが、以前訪問介護の現場で雇われて働いたときにも強く意識していました。当時の私は、訪問介護の「サービス提供責任者」という役職で、簡単にいうと、ホームヘルパーさんたちのマネジメント職です。

訪問介護というのは、一般的なビジネスと違って、利用者=お客様というわけではありません。利用者=お客様ではあるのですが、利用者に対して直接チラシやネットで集客するのではないのです。

どこに集客(営業)するかというと、「ケアマネージャー(ケアマネ)」という人です。ここでは、介護ビジネスの仕組みをお伝えするスペースがありませんので、そういうものなのだと思って下さい。

新規の利用者獲得のためにケアマネに営業に行くわけですが、訪問介護のホームヘルパーというのは、正直に言ってどの事業所も大差ないのです。例えが極端ですが、セブンイレブンとファミリーマートとローソンの商品に大きな違いがないのと同じようなものです。

そこで、私が行った営業方法というのは「渡辺篤志というサービス提供責任者」をより良く知ってもらうこと。そのために、一回顔見せで営業した後、手書きでケアマネに手紙を書き、さらに2週間後に、これはプリントアウトですが少々長い手紙を書きました。そこには、私のこれまでの介護施設での経験とか訪問介護に対する意気込みなどを書いたのです。

そして、毎月1回事業所の通信を書いて、それを手渡しで配って回っていきました。いわば、ヘルパーではなく私という個人を売り込んだのです。

一般的な会社の営業ではそれほど珍しい手法ではありませんが、介護の世界では目新しいようで、すぐに新規の利用者が増えました。ケアマネの所にはたくさんの訪問介護事業所が営業に行っていますが、行政から新規の利用者の案件が来た時に、真っ先に「渡辺篤志」という人間を思い浮かべてもらえたのです。これが、個人を売り込むことの効果です。

 

■どんな業界であれ、どんな職種であれ、これからの時代は「パーソナルマーケティング」が必要になってきます。個人が生き残っていくためには、組織に頼らず自分自身を売っていかなければいけないのです。パーソナルマーケティングを究極的な形で表しているのが芸能人です。だから、活躍している芸能人から学ぶことはとても多い。

今度テレビを観る時、そういう観点で観てみて下さい。きっと違う発見があると思います。

オンライン動画講座の詳細はこちら