速読のコツはそれほど難しくありません。
速読というと、一般的には「能力開発」とか「右脳」とか「潜在意識」などの言葉で語られたり、あるいはひたすら目を動かすトレーニングなどをイメージすることが多く、「私にはできないんじゃない?」と思われている方が多いと思います。
確かに、本をパラパラと高速でめくるだけで理解できる速読というのは、超人的なもので、とても簡単に身に付けられそうもありませんね。
しかし、たしかに今の10倍速く読むとか、1冊を10分で読むというのは難しいですが、今よりも2倍~3倍程度速くする、読みやすいビジネス書などを1時間ぐらいで読むという程度の速読は、実はそれほど難しいものではありません。ちょっとしたコツをつかめば、誰にでもできます。
ここでは、速読のコツを3つ、お伝えします。
速読のコツ1つ目:文字をかまたりで捉える
速読というと、「視点を高速で動かす」というイメージを持っている方も多いと思います。ひと昔前の速読術の本には、ひたすら眼球を動かすトレーニングがありました。
しかし、実際には、視点を高速で動かすとさっぱり理解できなくなります。なぜなら、文章を読むために、一番最初に絶対必要な「文字を見る」という行為が雑になってしまうからです。
文章を理解するためには、一瞬でもしっかりと視点を留め、文字を見る必要があるのです。これは、何も特別なことをするわけではありません。文章を読むとき、視点を上から下(横書きなら左から右)に流して読んでいる、と思っていると思いますが、実は誰でもだいたい2文字~5文字ぐらいをひとかたまりで読んでいるのです。(一文字だけを見るというのは、逆にできません。)
まずは、漢字や熟語、文節を参考に5文字程度の「かたまり」を意識することから始めてみてください。その時に効果的なのは、視点を置く位置を指差すように指を添えること。リズミカルに、トントントンと指を添えていくことで、視点が安定し、高速で読んでも理解ができるようになります。
速読のコツ2つ目:かたまりを大きくする
文字をかたまりで捉える感覚が分かってきたら、そのかたまりを10文字~15文字ぐらいに大きくしていきます。速読のポイントはここにあって、「小股で歩くより、大股で歩く方が速く歩ける」のと同じように、「小股で読むよりも、大股で読む方が速く読める」のです。
かたまりを大きくするには、「一度読んで理解した文章」でトレーニングすると効果的です。初めて読む文章だと、どうしても「理解したい」という意識が強く働き、視野が狭くなりますが、内容を理解している文章だと「理解したい」という意識が薄れるので、多少視野を広げても読めるのです。
同様の理由で、速読のトレーニングには「読みやすい簡単な本」を使うようにしましょう。難しい本だと、理解するのに集中してしまい、どうしても視野が狭くなります。サラッと読める本で、まずは「視野を広くして文字のかたまりを大きく捉える」ということに、慣れていきましょう。
最終的に、1行を2つ~3つのかたまり(だいたい10文字~15文字程度)で見る事ができるようになると、だいぶスピードが上がってきます。
速読のコツ3つ目:視点の移動スピードを速くする
文字をかたまりで捉え、そのかたまりを大きくすることができたら、少しずつ視点の移動スピードを速くしていきましょう。この時のポイントは、「しっかり理解できるスピードよりも、少し速いスピードで読み込む」ということです。
これは、スポーツとまったく同じで、楽にできる範囲でいくら練習しても上手くならないように、楽に読めるスピードでいくら読み込んでも、読書スピードは速くなりません。
あなたが理解できるスピードを少し超えたところで読むことで、だんだんと慣れてきて、そのスピードが当たり前になってくる、つまり、読書スピードが上がっていくことになります。
さらに言うと、できれば「3回読む」ことをお勧めします。1回目は、上で述べた通り「理解できるスピードを少し超えたスピード」で読み、2回目はしっかり理解できるスピードで読み、最後に1回目以上のスピードで読む。
1回目は、全力ダッシュのようなものだと思ってください。正直なところ、理解できるスピードを超えたスピードで読むと、少し「きつい」感覚がありますが、ここで頭に適度な負荷をかけてトレーニングしているのです。
3回目は、速読のイメージトレーニングです。2回目でしっかり内容を理解しているので、ある程度速く読んでも内容が頭に入ってきます。その状態で「速く読んでも内容が頭に入ってくる」という感覚を身に付けるのです。
速読は、スポーツと同じです。特別な能力でもなんでもなく、「速く読むためのフォーム」を身に付けることで誰でも習得できる、単なるスキルです。
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