【はじめに】速読には“種類”があるって知っていましたか?
「速読」と聞くと、「特殊な人しかできない」「ページをパラパラめくるだけで理解できるの?」といった誤解を持つ方が多いかもしれません。
しかし、実際の速読はそんな“超人的スキル”ではなく、「誰でもトレーニング次第で身につけられる、いくつかの技術」の総称です。速読にはいくつかの“種類”があり、自分の目的や読む本の内容によって使い分けることがとても大切です。
このページでは、代表的な速読の4つの種類と、それぞれの特徴や活用シーン、メリット・デメリットを紹介します。
あなたにぴったりの読み方を見つけて、効率的で楽しい読書を始めましょう。
代表的な速読の種類と特徴
① 視野拡大・眼球訓練型
特徴
視野を広げて一度に認識する文字数を増やし、視線移動の回数を減らすことで読書スピードを上げる方法です。
「行を目でなぞる」のではなく、「ブロックごとに視る」感覚に近づけるのがポイントです。
活用できるシーン・本のジャンル
- 小説・ビジネス書・教養書など、あらゆるジャンル
- ビジネス書・マニュアル・資料集
メリット
- 理解度を保ったまま読書スピードが安定する
- 訓練すれば再現性が高く、実用性も高い
- 目が疲れにくい
デメリット
- 習得には継続的なトレーニングが必要
- 初期段階では効果が実感しにくい
② 熟読高速型
特徴
内容をしっかり理解しながらも、読むスピードを意識して高めていく方法です。
「丁寧に、でもムダなく読む」ためのバランス型速読として、多くの人に応用可能です。
活用できるシーン・本のジャンル
- 自己啓発書・教養書・歴史書
- 実用書・ビジネス書全般
メリット
- 内容をしっかり吸収しながらも時間短縮ができる
- トレーニングというより“読書習慣の改善”に近く、始めやすい
デメリット
- 一気にスピードが上がるわけではなく、読める速さにも限界がある
- 読書経験や集中力によって効果に差が出る
③ 飛ばし読み型(スキミング・スキャニング)
特徴
文章を全文読まずに、必要な箇所だけを拾って読み進める方法です。
「どこが重要か?」を見極める“選球眼”が求められます。
活用できるシーン・本のジャンル
- ノウハウ書
- 新聞・ネット記事・レポート
- 大量の資料チェックや比較検討時
メリット
- 短時間で多くの情報を把握できる
- 情報収集や全体把握に最適
デメリット
- 読み飛ばしに偏りすぎると理解不足に陥る
- じっくり読みたい本には不向き
④ 右脳・潜在意識開発型
特徴
ページ全体を「視覚的に捉える」右脳的な読書法。
細かい理解よりも“感覚”を重視し、ページを写真のようにイメージとして頭に焼き付ける読み方です。
一定のリズムでページをめくることで、リラックスした集中状態をつくり、潜在意識を活用した読書が可能になります。
活用できるシーン・本のジャンル
- 小説・エッセイ・感性が必要な読書
- アイデア発想や直感を刺激したい時
メリット
- 深い集中状態に入れる/リズムよく読める
- 読書が“楽しい体験”として定着する
デメリット
- 内容の記憶や論理的理解は難しい
- 個人差が大きく、万人向けではない
基本は①視野拡大・眼球訓練型+②熟読高速型で「速く、楽に読む力を高めつつ、理解度は保つ」のが、どんな場面でも応用できるオススメの組み合わせです。
まずはこの2つから取り組み、徐々に「飛ばし読み型」や「右脳型」を目的に応じて取り入れていくと、バランスの良い読書力が育ちます。
主な速読トレーニング方法
視野拡大トレーニング
- 点描図やチャートを使い、視認できる範囲を広げる
- 視線の移動を減らすことで、読むスピードを安定化
黙読強化トレーニング
- 音読の癖を抑え、目で読む処理スピードを鍛える
- メトロノームやタイマーでリズムを意識しながら読む
理解力強化トレーニング
- 要約・キーワード抽出・読後の感想整理
- 読書を「記憶」と「実践」につなげるステップ
集中力アップの環境設計
- 読書に集中しやすい時間帯・場所・ルールを整備
- タイマー読書(15分集中→5分休憩)も効果的
【簡易診断】あなたに合った速読タイプは?
次の質問にYESが多い項目が、あなたに合った速読スタイルのヒントになります。
質問 | YES |
---|---|
複雑な文章になると読むのが遅くなる | □ |
知識をしっかり吸収しながら読みたい | □ |
情報収集に時間をかけたくない | □ |
小説や文章のイメージを楽しみたい | □ |
目安:
- YES①→ 視野拡大・眼球訓練型
- YES②→ 熟読高速型
- YES③→ 飛ばし読み型
- YES④→ 右脳・潜在意識開発型
よくある誤解と注意点
「すべての本を速く読む」必要はない
本のジャンルや目的によって「速く読む」ことが最適でない場合もあります。
大切なのは、“読む目的に合わせたスタイルの選択”です。
「速ければいい」というわけではない
内容を理解せずに速く読むことは、学びや気づきの質を下げてしまいます。
「速さと理解のバランス」が読書の成果を左右します。
無理して自分に合わない方法を続けない
「読書が楽しくなくなった」と感じたら、方法が合っていない可能性も。
まずは「楽に続けられる」読み方からスタートしましょう。
まとめ:速読は“目的に応じて使い分ける技術”
速読とは「一つの読み方」ではなく、「目的や内容によって選べる読書技術」です。
中でも、「視野拡大型」と「熟読高速型」は、理解を保ちながら速く読むための基礎となる、あらゆる読書スタイルのベースです。
まずはこの2つを押さえつつ、必要に応じて「飛ばし読み型」や「右脳型」も活用することで、あなたの読書力は確実に広がっていきます。
👉 次はこちらもチェック!▶「速読の基本的なトレーニング方法」