【学び論】vol.16 感動と共に景色を記憶する

こんばんは、渡辺です。

突然ですが、あなたは自然の景観などを観て感動したことってありますか?

私が今まで見た中で一番魂が震える経験をしたのは、23歳でアメリカに行った時。ロスアンジェルスからサウスカロライナに向かう飛行機の中でその景色に出会ったのです。

時間は夕方。眼下には低い雲が広がっていて雷が光っています。雷を下に見るのも初めての経験でしたが、その雲の上は真っ赤な夕焼け。そして、上空は夜で星が光っているのです。グレー・白・赤・紺・黒という5色が折り重なっている。絶対に飛行機からでしか見ることができない光景で、文章にするとあまり伝わらないかもしれませんが、本当に息をのむほどの美しさでした。ちなみに、「息をのむ」は英語でも「breathtaking」と言います。

 

この写真はイメージです

■もう一つありました。これもアメリカで。サウスカロライナからサンフランシスコまで友人と車で横断していた時のこと。ワイオミング州のとある町(村?)のキャンプ場に泊ったのですが、そこが少し小高い丘のような場所で360度地平線が見えたのです。360度ですよ。

そして、その夜は雲ひとつない天気でまさに「星降る夜」。生まれて初めて「天の川」を見たのです。

地平線の少し上にはさそり座が不気味に鎮座していて、(あれがさそり座だと、すぐにわかりました)とにかく、圧倒されました。

 

■日本でももちろんあります。北海道にスキーに行った時、札幌在住の友人の車でスキー場に向かったのです。途中、峠を越えるはずだったのですが、目の前がまったく見えないほどのブリザードに見舞われ、しばらく立ち往生。結局その峠を越えるのは諦めました。

関東に住んでいたらまず経験できない猛吹雪。地元に住んでいる人にとっては厄介なものかもしれませんが、とても貴重な体験でした。

 

■私は、学生時代にスキーをやっていたり、大学を卒業してから1年半ほどアメリカに留学していたこともあって、少しは旅行にも行っています。しかし、印象に残っているのは
有名な観光地ではなく、上で上げたような、旅の途中であったり、名もない小さな町で出会う、自然の景観であることが多いです。これらの場所は、写真も撮っていませんが、記憶には今でも鮮明に残っています。写真というのは撮っても意外と見返さないものですが、記憶にある情景はいつでも目を閉じればありありとよみがえってくる。それも、写真では再現できないスケール感を持って。

 

■今は、スマホで簡単に高画質の写真が撮れます。フィルムの写真と違って何枚撮っても大丈夫だから次々と気軽に撮れる。これは素晴らしいことではありますが、逆にそのことで、どんなカメラよりも高性能なレンズである「目」と「脳」を使わなくなってきているのではないでしょうか。時間が過ぎるのも忘れてただひたすら景色に見入る。そして、その光景を、自分の感動とともに記憶に蓄える。こうしたアナログな活動が、心を豊かにしてくれると思います。

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