本を読んでもすぐに忘れてしまう・・・そんな悩みには明確な理由があります。脳は「生きるために必要な情報」だけを残す仕組みになっているため、読書内容を忘れるのは自然なことです。しかし、正しい“読み方”を実践すれば記憶は確実に定着します。本記事では、忘れない読書術の3つの原則(目的を1行で書く/自分の言葉で要約する/行動に変換する)をわかりやすく解説。今日から読書の成果が変わる、再現性の高い読書法をお伝えします。

読書の時間を大切にしている人ほど、ある瞬間に気づきます。

「昨日読んだばかりなのに、内容がほとんど思い出せない…」
「読み終えた達成感はあるのに、仕事で何も使えていない…」
「結局、本を“読んだだけ”になってしまった」

これらは情報量が増え続ける今の時代において、多くの人が抱える共通の悩みです。

この記事では、
・なぜ人は本をすぐ忘れてしまうのか?
・どんな仕組みが働いているのか?
・どうすれば「読んだら忘れない」読書ができるのか?

を体系的にまとめます。

読書が“理解で終わる”状態から脱却し、行動につながる読書=未来を変える読書に変わる道筋をお渡しします。

読書しても忘れるのは“脳の仕様”。正しい対策をすれば記憶は定着する

まず、最も大事な事実からお伝えします。忘れることは正常で、生存のための仕組みです。私たちの脳は毎日膨大な情報に触れています。そのすべてを残しておくと、脳の処理能力は簡単にパンクします。だから脳は「不要」と判断したものは積極的に捨てるのです。本の内容がスルスル抜けていく理由は、“脳が正しく働いた結果”です。

しかし、ここで誤解してはいけません。

「脳は忘れるようにできている」=「どうせ覚えられない」ではない。むしろ“覚える仕組みを知っている人だけが”
読んだ内容をしっかり定着させています。脳の仕組みに沿った読み方を身につければ、読書は確実にあなたの武器になります。

読んだ内容を忘れてしまう3つの根本原因

本を読んだ直後は理解できているのに、数日後には内容がほとんど抜け落ちている・・・誰にでも起こるこの現象には、実は明確な理由があります。

それは単なる「記憶力の問題」ではなく、“読み方そのものの構造”が記憶に残る形になっていない からです。ここでは、読んだ内容が残らない3つの根本原因を、目的・時間・行動の3つの観点から詳しく解説します。

原因1:目的が曖昧だと、脳が“何を覚えるべきか”判断できない

読書は「情報を受け取る行為」に見えますが、実際は「情報を選び取る行為」 です。つまり、読書とは受動的ではなく、非常に能動的な行為なのです。

しかし目的が曖昧なまま本を開いてしまうと、脳は“何を重要視すべきか”判断できず、入ってきた情報をすべて同じレベルで扱います。

たとえば、あなたが英語の学習をしていて、留学経験者の体験記を読もうとしたときに「英語学習のモチベーションを上げるために読む」のと、「学習計画を作るためのヒントを探すために読む」のでは、注目すべき箇所は全く異なります。

目的は、脳のフィルターです。フィルターが明確であればあるほど、必要な情報だけが「意味のある情報」として認識され、記憶に残りやすくなります。逆に目的が曖昧だと、

  • “なんとなく読んだ気がする”
  • “印象に残らない”
  • “あとで覚えようと思ったところを忘れる”

という状態が生まれます。

原因2:理解したあと、記憶は急速に下降していく

読書直後に「わかった!」と思っている状態は、実は記憶のピークです。その後は、特に何も手を加えないと、数時間〜1日で一気に内容が薄れていきます。

理由はシンプルで、理解は短期記憶に格納され、行動や言語化がないと長期記憶に移行しないからです。

短期記憶は“仮置き場”にすぎません。多くの人は読書後に何もせず本を閉じてしまうため、短期記憶のまま情報が自然消滅してしまいます。

どんなに秀逸な知識でも、短期記憶に留めておくだけでは脳にとっては「保存に値しない情報」 なのです。

また、人間の脳は

  • 繰り返し触れた情報
  • 感情を伴った情報
  • 行動に結びついた情報

を優先的に長期保存します。

つまり、読書内容を記憶に残すには、読後すぐに“第二の手”を加える必要がある のです。

原因3:行動に結びつかない情報は、脳が“不要”と判断する

記憶に残るかどうかを決定づける最大の要因は、実は「行動」です。なぜなら脳は、

「実際に使った情報」=生存に役立つ情報
「使わなかった情報」=不要な情報

として処理する傾向があるからです。

たとえば、資格試験の学習を思い出してください。

  • テキストを読んでわかった気になっているだけでは覚えられない
  • 問題を解くことで初めて「定着」する
  • 実際に問題演習をすると記憶が強く残る

この経験は誰にでもあるはずです。

読書もまったく同じ。アウトプットや行動につながらない情報は、脳にとって「使われなかった情報」になり、優先順位が下がり、自然に忘れられていきます。

逆に、ほんの小さなことでいいので行動と結びつけば、それは脳にとって“意味を持つ情報”となり、記憶に残りやすくなります。

忘れない読書術の3つの原則|読む前・読んでいる最中・読んだ後の“再現性ある型”

読書を記憶に残し、行動につながる形に変えるには、読む前・読んでいる最中・読んだ後それぞれのステップを踏むことが必要です。

STEP1
読む前に“目的を明確化”する

多くの人は、特に目的もなく「面白そう」「興味がある」という理由だけで本を読みますが、読む前の目的設定がとても大切です。読む前の30秒で、本を読む目的を言語化してください。

「本を読む目的」と言っても分かりづらいと思いますので、以下に、「本を読む目的」として代表的かつ実践的な10個の目的をリストアップします。

読書の目的は“抽象的な目的(人生観・価値観)”から、“即効性のある具体的な目的(明日の行動)”まで多層的に存在します。以下の「目的リスト」を参考に、本を読む前にあなたの目的を言語化してください。

【本を読む目的・10個のリスト】
1.課題解決のヒントを得るため:今直面している問題(仕事・人間関係・健康・学びなど)への解決策を知る。

2.未来の選択やキャリアの方向性を決めるため:キャリア・生き方・ビジョン設計の材料として読む。

3.具体的なスキルを身につけるため:プレゼン、文章術、時間術、習慣化、マーケティングなどの“即効技術”を学ぶ。

4.視野を広げ、新しい価値観に触れるため:自分の思い込みを外し、新しい視点や思想に出会うため。

5.行動のきっかけを作るため:「よし、やってみよう」と背中を押す刺激や勇気を得る。

6.自分の内面を理解するため:心理学・哲学系の本を通じて感情・信念・思考クセを見つめる。

7.知識を体系化し、理解を深めるため:点の知識を線につなぎ、線から面に広げて“構造理解”を作る。

8.資格試験・仕事で成果を出すため:インプットを実務・試験問題・プロジェクト成果に転換するため。

9.癒やし・リラックス・精神的回復のため:小説・随筆・エッセイなどで心を整え、心理的余白を取り戻す。

10.人生の指針・原理原則をつかむため:哲学や歴史、思想書を通じて“自分がどう生きたいか”を明確にする。

STEP2
読んでいる最中に“記憶のフック”を作る(理解を記憶に変える)

本を読みながら内容をメモすることは多いと思います。この時に大切なのは「たくさんメモを取ること」ではなく、“どうメモを取るか?” です。記憶に残るメモにするためには、「理由や自分の考え」が書かれていること。

理由を書くと記憶に残りやすいのは、以下のような理由です。

  • 情報に意味づけを行う
  • 意味づけされた情報は“脳にとって価値が高い”
  • 結果、記憶に残る優先順位が上がる

例えばあなたが法律の勉強をしているとします。本を読んでいて大切だと思った箇所があったら、単にそこを抜き出してメモするだけではなく、

「この手続きが重要な理由」
「この制度が採用された背景」
「この考え方が仕事で役に立つ場面」
「なぜこれは今の自分に必要なのか」

などをまとめるだけで、同じ量の読書でも記憶の定着率が桁違いに変わります。

STEP3
読み終えたらすぐ“行動できる1行”に翻訳する

読書内容が記憶に残るかどうかは、読後の数分間の使い方で決まります。

「また時間がある時にまとめよう」
「後でメモしよう」

と考えるほど、記憶は消えていきます。記憶に残すためには、ぜひ次のことをやってみてください。

「行動できる1行」を書く

例えば

  • 明日、〇〇の方法を試す
  • 今週、〇〇の考え方で会議に参加する
  • 今日、この質問を誰かにしてみみる

というようなことです。ここで大切なのは、行動は小さく、すぐに取り掛かれること。

行動に移すことで、脳に「これは使う情報だ」と認識させ、記憶に強く残ります。その時にあまり大きな行動だと、「今度やってみよう」になってしまい、結局やらずじまいに。

今すぐ、遅くても翌日にはとりかかることができるぐらいの小さな行動は継続でき、やがて大きな成果を生みます。

行動は記憶の“最後の接着剤”。行動こそが、理解した情報を“自分の血肉”に変えるプロセスです。

  • 行動すれば記憶が強化される
  • 記憶が強化されると、もっと行動したくなる
  • 行動すると成果につながる
  • 成果が自信につながり、さらに読書が楽しくなる

この循環が回り始めると、読書はあなたの成長エンジンになります。

やってはいけない“忘れる読書法”:多くの人が陥る2つの間違いとは?

読書しても記憶に残らない人の多くは、「やってはいけない読書習慣」を無意識に繰り返しています。本を読むのが好きで、知識欲が高い人ほど、“ある誤解”によって正しい読書の流れを阻害してしまうのです。

ここでは、多くの人が無自覚に陥ってしまう「忘れる読書法」の特徴を深堀りし、なぜその行動が記憶に残らないのか、どう改善すればいいのかを詳しく見ていきます。

間違い①:線を引くだけ・マーカーを塗るだけ、付箋を貼るだけで満足する

マーカーを引いたり付箋を貼ったりすると、「読んだ気になる」「理解した気になる」効果があります。しかし、線を引く行為は“受動的な作業”であり、脳はその作業にほとんどエネルギーを使っていません。

線を引く=情報を選別しているようで、実はただ装飾しているだけ。

線を引いた瞬間は理解しているように錯覚しますが、その時点で脳に残っているのは“視覚的な強調”だけです。意味を理解したわけではありません。

また、線をたくさん引く人ほど、後から読み返したときに「どれが自分にとって本当に重要だったか?」がわからなくなってしまいます。改善策はシンプルです。

線を引くと同時に「理由・考え・要点」を1行書きましょう。

  • なぜ大事だと思ったのか
  • どんな場面で役立ちそうか
  • 今の自分とどう関係があるのか
  • 著者が言いたいことを一言でまとめると

この1行があるだけで、「記憶のフック」が生まれます。

間違い②:「読む事」を目的にしてしまう

特に速読が身に付いた頃が要注意です。私自身の反省もあるのですが、本を速く読めるようになると「次から次に読みたくなり、「たくさん読むこと」が目的になってしまうのです。

これを私は「速読の落とし穴」と呼んでいるのですが、「たくさん読む事」ことと「理解する・記憶する・行動に変える」はまったく別です。

本は“読んだ量”ではなく“残った量・行動に移した量”で価値が決まります。100冊読んでも何も残らないより、1冊を読んで1つ実践し身に付ける方が、間違いなく自分のためになります。

最も避けたいのが、次の「満足感ループ」です。

  • 読む
  • なるほどと思う
  • すぐ次の本を読み始める
  • また“なるほど”で終わる
  • 気づけば何も変わらない

これは、知識が「行動」に変換されていない状態です。頭の中にはたくさん情報が入っているように見えますが、実際にはほとんど活用されていません。

脳は「使わなかった知識」を優先的に捨てます。使われなかった情報は、どんなに素晴らしい内容でも“存在しなかったかのように”消えていくのです。

改善の鍵はただひとつ。行動できる形に“翻訳”すること。

例えば:

  • 「今日の会議でこの質問だけ試す」
  • 「明日の朝10分だけこの方法をやる」
  • 「今日この考え方を誰かに伝えてみる」

こうした“小さな行動の翻訳”があるだけで、読書は自然に記憶へ、そして成果へつながります。

まとめ:正しい構造を知れば誰でも変わる

今紹介した2つの間違いは、どちらも人間の心理が自然と引き寄せてしまう行動です。本が好きだからこそ、真面目に読もうとするからこそ、たくさん読みたいと思うからこそはまる罠です。

しかし、逆に言えば、構造がわかれば、誰でも“忘れない読書”に変えられます。読書の質は、才能ではなく「仕組み」です。意図を持ち、意味づけし、行動につなげる。

たったこれだけで、本はあなたの未来を変える力になります。

あなたの読書は、どの“壁”で止まっている? 7つの壁から〈読書を再設計〉をしてみませんか

ここまで「忘れない読書術」を学び、読書が“理解→記憶→行動”につながるための基礎が整いました。しかし、多くの人がここでふと気づきます。

「本当はもっと読めるはずなのに、どこかでつまずいている気がする」
「頑張っているのに成果が出ない理由が、うまく言語化できない」
「結局、自分の読書のどこを直せば変わるのかが分からない」

実は、読書には多くの人が必ずぶつかる“7つの壁” が存在します。

  1. 入口の壁
  2. 理解の壁
  3. 記憶の壁
  4. 行動の壁
  5. 習慣化の壁
  6. 自己理解の壁
  7. 統合の壁

このどれか一つでも引っかかっていると、どれだけ読んでも成果が出ない「読書の停滞期」に陥ります。

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次は「効率よく理解する読み方」へ。 スキミング・スキャニング・深読みを使い分けると、読書は一気に変わる

ここまで、記憶に残る読書のために必要な「目的」「意味づけ」「行動」についてお伝えしてきました。しかし、読書の質を決めるもうひとつの大切な要素があります。

それが “読み方の使い分け” です。

多くの人は、すべてのページを同じスピードで読み、すべての情報を均一に受け取ろうとします。けれど、これは読書の中で最も非効率な読み方です。なぜなら、本の中には「流してよい情報」と「じっくり読むべき情報」が明確に分かれているからです。

次のページでは、読書の理解度を飛躍させる3つの読み方を解説します。

  • スキミング(全体像をつかむ読み方)
  • スキャニング(必要な情報を“探しにいく”読み方)
  • 深読み(著者の主張構造を理解し、自分の文脈に落とし込む読み方)

この3つは、読書をする人全員が知っておくべき“読書の基礎体力”です。特に、読む前の3分 でこれらの読み方をどう使い分けるかを決めるだけで、理解度は2倍以上、読書時間は半分以下になることも珍しくありません。

「忘れない読書」と「理解を深める読書」は表裏一体です。行動につながる読書を身につけるためにも、次のページで、あなたの読書をさらにアップデートする“読み方の使い分け”をぜひ身につけてください。

👉【次のステップへ】「効率よく理解する読み方~スキミング・スキャニング・熟読の違いと使い分け」へ進む

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よくあるご質問(FAQ)

Q:本を読んでもすぐ忘れてしまうのはなぜですか?

A:目的が曖昧なまま読み、読後に振り返りや行動化をしていないため、短期記憶のまま情報が消えてしまうことが主な原因です。

Q:忘れない読書のために、読む前に何をすると良いですか?

A:「この本から何を得たいか」「今日読む範囲の目的は何か」を30秒で言語化し、読む前に自分なりの問いをつくることが効果的です。

Q:線を引いたり付箋を貼ったりする読書は意味がありますか?

A:線や付箋“だけ”では記憶に残りにくいです。「なぜここが大事か」という理由を1行メモすることで、記憶のフックが生まれます。

Q:読んだ内容を行動につなげるためには、どうすれば良いですか?

A:読後すぐに「今日・明日できること」を1つだけ決め、小さな行動に翻訳してください。行動が記憶を固定し、成果につながります。

Q:忙しくても続けられる“忘れない読書術”のコツはありますか?

A:読む前30秒の目的設定、読書中の理由メモ1行、読後の行動1つの3ステップに絞ると、忙しい人でも習慣化しやすくなります。

著者プロフィール

速読研究会主宰:渡辺篤志

渡辺篤志:「株式会社いろどり」代表 「速読研究会」主宰
100冊以上の速読術・読書術・勉強法を学び、「これなら誰にでも習得できる」という独自のトレーニングメソッドを作り上げ、10年以上に渡り2000名以上に指導。著書に「身につく速読、身につかない速読 ~1冊1時間を目指す、挫折知らずの現実的速読トレーニング~」がある。

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