はじめに:好きな本が最強のトレーニング教材
「もっと速く本が読めたらいいのに・・・」そう思ったことはありませんか?
でも、いざ“速読”を学ぼうとすると、難しそうな訓練や時間のかかる練習方法が出てきて、ちょっと身構えてしまう…そんな経験があるかもしれません。
でも実は、特別な教材やハードなトレーニングをしなくても、日々の読書の中で“読むスピード”は自然と高めていくことができます。その鍵になるのが、「好きな本」を使った読書習慣です。
速読の技術は、特別なスキルではなく、「読む経験の質と量」で磨かれていきます。そして、その“経験”をもっとも自然に積み上げられるのが、自分の興味や関心に合った「好きな本」を読むことなのです。
この記事では、前ページ「読解力を鍛えるトレーニング」で紹介した「意図・前提・行間を読む力」をベースにしながら、読むスピードと理解力の両方を伸ばす“普段の読書術”を具体的に紹介していきます。
なぜ「好きな本」を読むと速くなるのか?
読書スピードが上がらない原因は、「集中できない」「つまらない」「途中で飽きてしまう」といった読書体験の質にあることが多いです。逆に言えば、読むこと自体が楽しくて、先が気になる本を選べば、自然と読むスピードは上がっていきます。
理由1:先が気になって、どんどんページが進む
物語に引き込まれたり、知りたいテーマに夢中になったりすると、脳は“もっと読みたい”というモードになります。この状態では、読むスピードも自然と上がり、内容の吸収率も良くなるのです。
理由2:背景知識があると、読み飛ばし力がつく
好きな分野の本であれば、多少知らない用語があっても、文脈から推測して理解できます。この「推測力」は、速読の核心のひとつで、「すべてを丁寧に読まなくても意味がつかめる」読み方につながります。
理由3:集中力が切れにくい
嫌々読む本は、どんなにがんばっても集中力が持ちません。けれど好きな本なら、長時間でも没頭できる。これこそが“読む力”を鍛える理想的な状態です。
普段の読書で意識したい「3つの力」
前回紹介した読解力の3ステップを、改めてここで復習しましょう。
① 意図を探す視点
「この本はなぜ書かれたのか?」「筆者は何を一番伝えたかったのか?」という問いを持つことで、読書が“情報収集”ではなく“対話”になります。筆者の立場や背景を想像することで、読み方に深みが出てきます。
② 前提を読み取る姿勢
すべての文章は、ある前提のもとに書かれています。「これって当たり前?」と思えることに疑問を持つと、読書の視野が広がります。たとえば、「読書は良いことだ」という前提が疑問視されると、まったく違う読み方が可能になります。
③ 行間を味わう余裕
皮肉や比喩、暗示など、行間には多くの「書かれていない情報」が含まれています。「なんでこの表現を使ったんだろう?」という小さな気づきが、読書の楽しさを倍増させます。
この3つを意識することで、ただ読むだけでなく、「考えながら読む」力が養われ、速読との相乗効果が期待できます。
読書スピードが自然に上がる“3ステップ読み”トレーニング
ここからは、実際に速読力を高めるための具体的な読書トレーニング法をご紹介します。
初心者がスキーをするときに緩やかな斜面から始めるように、速読の練習でも「読みやすさ」が非常に大切です。
- 1行38~40文字、1ページ15~16行程度(文字が大きめ)
- 改行が少なく、文章が続いている構成
- 図解やイラストが少なく、1章あたり20~30ページ前後
- 見開きで完結するような短文形式ではなく、ある程度まとまりのある文章
こうした条件の本を選ぶことで、文章全体のリズムをつかみやすくなり、読み進める力がぐんと育ちます。
この“3ステップ読み”が、日常的に速読力を育てるコツです。
下読み
内容の理解は3割程度でもOK。やや速めのスピードで読み、何となくの雰囲気や構成をつかむことが目的です。速すぎて全くわからないのはNGですが、「少し負荷がかかるスピード」がベスト。
本番読み
通常のスピードで、しっかりと内容を理解しながら読みます。ここで読解力(意図・前提・行間)を意識すると、吸収力が格段に上がります。
仕上げ読み
再び速めのスピードで同じ章を読み直します。一度理解した内容なので、スムーズに読める感覚が得られます。これが「速く読んでも意味が取れる」という感覚を育ててくれます。
- 1章が20ページなら、3ステップで約30分
- この方法で1冊~3冊読めば、スピードも理解力も驚くほど変わってきます
- 同じ章を3回読むことで、自然に記憶の定着率も上がります
習慣化のアイデア
- 慣れてきたら、1冊全体を下読み→本番読み→仕上げ読みでもOK
- 本屋で「下読み」だけして、買うかどうか判断するのも◎(買う時はお礼も兼ねてそのお店で)
- 通勤前や昼休み、寝る前などに組み込めば習慣になりやすい
この読み方は、“努力感なく続けられる”という点で、最強の速読トレーニング法といえるでしょう。
ChatGPTを活用して読書の質をさらに高める
読んだ内容についてChatGPTに質問することで、理解を深めたり、別視点を得ることができます。
- 「この章の要点を一言で言うと?」
- 「この例え表現、どんな意味があると思う?」
- 「筆者の背景にどんな価値観がある?」
こうした問いを投げかけるだけで、読書が「対話」に変わります。これにより、自分ひとりでは気づけなかった観点を得ることができます。
まとめ:普段の読書が、読む力を育てる最短ルート
好きな本を、自分のペースで、3回読む。それだけで、あなたの読書力は確実に変わっていきます。
- 読解力が上がる
- 理解が深まる
- 読書スピードも自然に上がる
「好きなことを楽しむ」ことが、最も力になる——それは、読書においても同じです。
ぜひ今日から、“好きな本で読む力を育てる読書習慣”を始めてみてください。
「もっと自由に、もっと深く、本を読めたら」──そう思ったことはありませんか?
ここまでお読みくださったあなたは、きっと「読書の力をもっと活かしたい」「読むことを、もっと人生に役立てたい」と感じている方だと思います。
だからこそ、“好きな本を読む”という一見シンプルな習慣に、これほどまでの深みと可能性があることに気づいていただけたのではないでしょうか。
ただ、ここで立ち止まるのはもったいない。
なぜなら、今回ご紹介した普段の読書術を土台に、さらに一歩進んだ「読書の技術」と「学びの戦略」を身につけることで、あなたの読む力は、もう一段ギアが上がるからです。
たとえば──
- どんな本でもスムーズに読み進められる「速さと理解のバランス」
- 内容を“血肉化”するアウトプット習慣
- 読書の目的に応じた「戦略的な読み分け」
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次のページでは、この動画講座の全体像や構成、どんな方におすすめかを詳しくご紹介しています。もし少しでも「気になる」「もっと知りたい」と思っていただけたなら、ぜひそのままページを進んでみてください。
きっとあなたの中にある「読む力」が、もう一段、深く・広く・速く、目覚めていくはずです。
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よくあるご質問(FAQ)
A:はい。好きな本を読むと「集中力」「推測力」「継続力」が自然に高まり、速読に必要なリズムや理解力が身につきます。
特に、紹介している“3ステップ読み”を取り入れることで、楽しみながらスピードと理解力を両立できます。
A:同じ章を「下読み→本番読み→仕上げ読み」と3回読む“3ステップ読み”がおすすめです。
理解度3割でもOKな速読→内容重視の通常読書→スピードを上げて再読、という順で読むことで、速く読んでも内容がつかめる感覚が自然と身につきます。
A:初心者には、1ページ15~16行・1行38~40文字程度で、図が少なく、1章あたり20~30ページの構成の本がおすすめです。
文章のリズムをつかみやすく、下読み・本番読み・仕上げ読みの反復がしやすくなります。
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