忙しくて勉強の時間が取れない—そんな社会人にこそ読んでほしい「スキマ時間勉強法」。本記事では、通勤・家事・昼休みなどの短い時間を“学び時間”に変える3つの戦略を紹介します。さらに、理解を落とさずに読むスピードを上げる「やさしい速読」の考え方も解説。テキストを読む時間がない人は、クイズ感覚で“過去問1問”を5分で解く方法から始めましょう。あなたの1日が、少しずつ未来を動かす時間に変わります。

「時間がない」あなたへ ― まず“思い込み”を解こう

「忙しくて勉強の時間が取れないんです」~資格試験を目指す社会人の方から、よくこんな相談を受けます。

でも、実は“時間がない”という言葉の裏には、少し違う意味が隠れています。それは、まとまった時間がないから勉強できないという思い込みです。

仕事や家事、育児に追われる毎日。1時間机に向かうなんて、現実的には難しい。けれど、もし「1時間」ではなく「5分」を積み上げる発想に変えたら、どうでしょうか?

心理学者ミハイ・チクセントミハイの“フロー理論”によれば、人は「能力」と「難易度」がちょうど釣り合う瞬間に、最も深く集中します。つまり、短い時間でも集中の質を上げることができるのです。

私自身、介護の仕事をしながら行政書士や社会福祉士、ケアマネージャーなど複数の資格を取得しました。夜勤の合間、車の中、休憩時間の10分。「その時間しかない」とわかった瞬間、逆に集中できるようになったのです。

スキマ時間は、“ない”のではなく、“見えていない”だけ。まずはその前提を、ひっくり返してみましょう。

スキマ時間を最大化する“3つの活用戦略”

時間は誰にでも平等。けれど「どう使うか」で、結果はまったく変わります。ここでは、忙しい人でも実践できる3つのスキマ時間活用法を紹介します。

【耳を使う】通勤・家事・歩行中は「音声学習」でインプット

「耳を使う学び」は、現代の最強ツールです。最近は、動画による資格試験の講義なども充実していますが、画面に向かわなくても、講義の音声を聴いているだけでかなりの勉強量になります。

もちろん、「ながら勉強」だけで細部までしっかり理解して試験に対応できる、というわけではありませんが、集中して勉強するための「下準備」や、一度勉強した後の「繰り返しの復習」にはとても適しています。

車での移動中や家事の時間は、手は動かしていても頭は自由です。その時間を“耳学問の時間”に変えることで、学びの総量は驚くほど増えます。

【手を動かす】5分で過去問1問!クイズ感覚でアウトプット

スキマ時間の勉強には、テキストを読むよりも問題を解く方が適しています。理由はシンプル。テキストを読むにはどうしてもある程度のまとまった時間が必要ですが、問題演習は一問完結。結果がすぐにわかるから、短時間でも“終わった感”が得られるのです。

通勤電車の中で、スマホのアプリを開き「過去問を1問だけ」解く。昼休みに、1ページだけ問題集を解く。夜寝る前に、間違えた問題を1問だけ見直す。

この「5分完結型勉強法」は、スキマ時間を味方にする最高の方法です。1問ごとに完結するので、集中しやすく、モチベーションが切れません。

しかも、“小さな成功体験”を繰り返すことが、継続の秘訣。人の脳は、「できた!」という感情を報酬として記憶します。だから1問ごとの達成感が積み重なり、学習が自動的に習慣化していくのです。

【目を使う】速読で“読む時間”そのものを短縮する

勉強時間が足りない最大の理由は、「読むのが遅い」ことにあります。たとえば1ページ読むのに2分かかる人と、1分で読める人。同じ30分でも、得られる情報量は2倍違います。

そこで、資格試験に挑戦する前にぜひ手に入れたいスキルが速読です。速読と言っても、一般的にイメージするような、「高速で目を動かす」とか「パラパラとページをめくる」という類のものではなく、「頭の中でしっかりと読み上げるスピードを速くする」、つまり「熟読のスピードを速くする」のです。

そのためには、「理解できるスピードよりも、ほんの少し速いスピードで読み込む」トレーニングが効果的。筋トレで少しずつ負荷を上げていくと、いつの間にか筋力が付いてくるのと同じです。

速読のトレーニング方法について、詳しくはこちらもご覧ください。

スキマ時間を「習慣化」する3つの仕組み

どんな勉強法も、続けられなければ意味がありません。ここでは、スキマ時間学習を一時的な工夫で終わらせないために、日常の中に“仕組み”として組み込む方法を紹介します。

5分ルールで始める

「やる気が出たらやる」ではなく、「5分だけやる」と決める。この小さなルールが、行動のハードルを一気に下げます。「1問だけ」「1ページだけ」でもOK。実際に手を動かしてみると、意外と集中モードに入れるものです。

人間の脳は、「始める」ことで快楽物質ドーパミンが出ます。逆に「完璧にやろう」と構えるほど、動けなくなってしまう。まずは小さく始めて、流れに乗ること。これがコツです。

行動を“見える化”する

成果を数字で追うよりも、「できたこと」を可視化する方が続きます。カレンダーにチェックをつける。手帳に「今日も1問」と書く。アプリで「連続学習日数」をカウントする。

たったそれだけで、自己効力感(=自分にはできるという感覚)が高まり、次の日も自然に行動できるようになります。「そんな子供だましみたいなことで…」と思う方もいるかもしれませんが、この「できたことを見える化する」効果は馬鹿に出来ません。

学びの継続は、意志よりも“環境”で決まるのです。

学習リズムをつくる

時間の長さではなく、「タイミングを固定する」。朝の通勤前、昼休み、寝る前。毎日同じリズムで学ぶことで、脳が「この時間=学びモード」と覚えてくれます。

リズムは習慣のトリガー(引き金)。最初の数日は意識的にでも、「時間と場所を固定」してみましょう。やがてそれが、自分の中の“自動スイッチ”になります。

時間を増やすのではなく、“密度”を変える

スキマ時間学習の本質は、「時間を増やす」ことではなく、「時間の密度を上げる」ことです。1時間集中できる人もいれば、5分で切り替えられる人もいます。重要なのは「どれだけ時間を取るか」ではなく、「どれだけ集中できるか」。

脳科学的にも、人の集中力は一般的に15〜90分程度で、波があるといわれます。だからこそ、5分・10分単位の短期集中は理にかなっている。スキマ時間に1問、1テーマ、1フレーズを積み上げることで、知識は確実に身体に染み込んでいきます。

そして何より、この方法の副産物は「自信」です。忙しい毎日でも、「私はやれている」という実感。それが次の行動のエネルギーになるのです。

どんなに忙しくても、1日のうちで5分ぐらいの時間は取れるはずです。まったくやらないか、5分だけでもやるかは、極めて大きな違いになります。

読むスピードが上がれば、あなたの「時間の価値」が変わる

スキマ時間をどう使うかで、人生の進み方は変わります。けれど、もし“読むスピード”そのものを上げられたら、あなたの1日は、もっと自由になると思いませんか?

読むのが遅いと、勉強時間はどんどん削られていきます。逆に、理解を落とさずに速く読めるようになると、短い時間でも「集中→理解→記憶」の流れが一気にスムーズになる。

その仕組みを、動画でわかりやすく体験できるのが 『本を速く・楽に読むための3つのポイント』無料動画 です。

1.文字をかたまりで捉える
2.視野を広くしてかたまりを大きくする
3.視点の移動スピードを速くする

この3つを実演で解説し、すぐ実践できる「3つのポイント実践ワーク」もプレゼント。“時間がない”を言い訳にせず、今日から「読む力」で未来を動かしましょう。

ノートを作るのは時間の無駄?

忙しい人間が資格試験の勉強をする際には、どのようにスキマ時間を活用できるかが大きなポイントになります。次のページでは、時間の使い方の一つとして「ノートを作るかどうか」ということについてまとめました。

👉【次のステップへ】ノート作りは時間の無駄?忙しい社会人のための最短合格アウトプット法へ進む

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よくあるご質問(FAQ)

Q:スキマ時間だけの勉強でも、本当に合格を目指せますか?

A:十分に目指せます。ポイントは「長時間やること」ではなく、「短時間でも集中して継続すること」です。5分で過去問を1問解く、音声で同じテーマを繰り返し聞くといった積み重ねは、1年後に大きな差になります。

Q:テキストを読むより、過去問を1問ずつ解く勉強法は効果がありますか?

A:はい、とても効果的です。スキマ時間には「一問完結」の学習が相性抜群です。問題→解説→簡単なメモまでを5分で完了できるので達成感が得やすく、知識も定着しやすくなります。

Q:音声学習や“ながら勉強”でも、きちんと身につきますか?

A:音声学習や“ながら勉強”だけでは、合格するための正確な知識を身に付けるには不十分ですが、テーマを繰り返し聴くことで、集中して読む時間の“下地づくり”として大変有効です。

Q:忙しい社会人でも、「やさしい速読」のような速読トレーニングは実践できますか?

A:できます。特別な素質は必要ありません。文字をかたまりで見る練習や、視野を少し広げるワークなど、1日数分から始められるステップなので、スキマ時間に取り入れやすいのが特徴です。

Q:無料動画『本を速く・楽に読むための3つのポイント』は、初心者でも効果がありますか?

A:はい。速読が初めての方でも理解できるよう、3つのポイントを実演つきで解説しています。さらに「3つのポイント実践ワーク」も付いているので、動画を見たその日からスキマ時間にトレーニングを始められます。

著者プロフィール

速読研究会主宰:渡辺篤志

渡辺篤志:「株式会社いろどり」代表 「速読研究会」主宰
100冊以上の速読術・読書術・勉強法を学び、「これなら誰にでも習得できる」という独自のトレーニングメソッドを作り上げ、10年以上に渡り2000名以上に指導。著書に「身につく速読、身につかない速読 ~1冊1時間を目指す、挫折知らずの現実的速読トレーニング~」がある。

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